21 石塚麻衣
私は、今までで30時間以上もかけて1つの絵に取り組んだことがなかったので、この自画像制作はとても新鮮でした。 最初の頃は1回1回絵に変化をもたらすことができなかったし、ただ見た通りに色をつけているだけでした。その頃は自画像を描くということが、いまいち理解できませんでした。 しっかりと自分を見つめ、表面だけの自画像ではなくて、内面を描くということが非常に困難に思えたし、少し抵抗がありました。しかし、絵に取り組んでいるうちにだんだん真剣に絵や今まで避けていた自分と向き合おうと思うようになりました。先生が授業中に話してくださったいろいろなお話が私をそうさせてくれたのだと思います。
美術の時間は、自分の欠けている部分を少しずつ補修していってくれました。そして、それと同時に、絵にも少しずつ自分らしさを取り入れていくことができるようになりました。もし美術を選択していなかったら、もし先生のお話を聞けなかったら、私はいまだに、ちゃんと自分に向き合おうとせず、自分自身の表面しか知らない幼稚な人間だっただろうと思います。自画像制作は、すごく意味のあるものになりました。これからの私の生き方や考え方を大きく変えてくれました。自画像にひたすら向き合ったこの時間は、生涯私の宝物であり続けるでしょう。